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2021.11.08 |ブログ

体操競技のルールについて(男子編)

前回に引き続き体操競技のルール紹介となります。

今回は体操競技のルール(男子編)をご紹介いたします!

目次

【ゆか】

器具説明

体操の床の競技が行われているあの「ゆか」ですが、競技を見ていると、選手がジャンプする際にたわんでいるように見えませんか?
実は、あの「ゆか」は「タンブリングバーン」と呼ばれている特殊な構造になっています。スプリングやスポンジなどの反発材が下についた丈夫な板の上にカーペットが重ねられているといった構造になっているため、非常に飛び跳ねやすくなっているのです。
また、広さは12m四方になっており、この中で規定された技を組み合わせて演技し、
その得点で順位を競います。

基本ルール

四隅に必ず一度は到達しなければいけないという男女共通のルールがあります。
男子は、規定時間内に徒手体操的な運動、平均技、力技、跳躍技、跳ね起き技、倒立回転技、宙返り技を組み合わせて演技をします。
よって、男子選手の競技に多く求められているものは、強靭さ、柔軟さ、技のダイナミックさということになります。
競技中に伴奏がないという点は、女子との大きな違いになります。
また、床と跳馬は長パン、短パンどちらでもよいと決められています。

【あん馬】

器具説明

演技に用いられる器具は、乗馬の鞍を模したもので、長さが1m60cm、幅が35cmになっています。
ボディのつくりとしては、木枠の上にスポンジを当て、その上から超特大のサイズの牛革で包むようになっています。
演技を行う馬上の高さは1m5cmとなっており、馬上には「ポメル」と呼ばれる、選手が演技の際に握る把手がついています。
あん馬は男子のみの種目で女子にはありません。
理由として、あん馬の演技は馬上で自身の体を2本の腕のみで支持し、なおかつ止まることなく振動や回転を続けるので、非常に腕力を要する演技になります。
男子と比較した際に女子の筋肉は柔らかいので、筋肉が切れてしまう恐れがあるため、女子では行われていないのです。
見た目は地味に見えるあん馬の演技ですが、実は非常にハードであるということが分かります。

基本ルール

あん馬に手をかけ、飛び上がった時点から演技が開始されます。
そして、演技終了時に着地する終末技までの間に、振動技・移動技・旋回技・転向技を組み合わせて演技が構成されています。
その間にあん馬から落下したり、演技を静止させたりとすると減点の対象となります。
また、他の体操種目と同様に、一連の技がいかに流れ良くスムーズに大きく美しく行われているかという点は、あん馬という種目の見せどころであり、採点を行う上での大きなポイントとなるのです。

【つり輪】

器具説明

つり輪で使わている器具についてですが、演技を見ていると、結構高い所についているなと思われる方もいるでしょう。
選手が握る「輪」の部分ですが、ロープやワイヤーなどで上から吊るしてあり、樹脂、金属ないし木製になっていて、床下からの高さは、なんと2m80cmもあり、輪と輪の間は50cmになります。
また、ロープの根元部分に工夫が施されており、演技でグルグル回っていても、ロープはねじれないようになっているのです。
つり輪という種目は、輪を手でつかみ、宙に浮いた状態で、一部の技を除き腕の力のみで体を支えて演技を行います。
そのため、体操種目の中で最も腕力を必要とすることから、あん馬同様に女子では行われず男子のみの種目となります。
また、体操はルール改正が行われるたびに、静止技や力技を制限する流れにあります。     
それだけ他の種目と違う特殊性の高い種目となってきています。

基本ルール

演技は地面から離れた時点から始まります。
そして、演技を行って終末技で着地動作を完了して演技終了となります。
技の種類には、懸垂振動技、振動倒立技、力技や静止技があり、懸垂振動技は体を振ったり回転したりする技で、静止は求められませんが、その他の技は静止を求められたりゆっくり回転するなど、特に腕力が要求される技になります。
また、静止は2秒間静止しなければならず、それよりも短ければ静止とは認められず、減点の対象となってしまうのです。
禁止行為としては、まず体操競技の基本ルールとして、足以外での着地は禁止されています。
つり輪という種目に特徴的な規定として、2本のつり輪を交差させてはいけないというものもあります。その場合、スコアが-0.3となります。
また、屈腕車輪と呼ばれる、腕が曲がった状態での車輪運動も禁止されています。

【跳馬】

器具説明

跳馬は、使用する器具は男女で変わりはありませんが、器具の高さに違いがあります。
男子の競技の場合は、器具の高さは135cmとなっており、助走方向に対して縦向きに置かれます。
器具の前にはロイター板が置かれます。助走してきて、ロイター板で踏切り、器具に手をついて跳び、着地するまでの間に技を繰り出すという流れの競技になります。
跳び箱を高度な技を用いて跳ぶと考えると分かりやすいかと思います

基本ルール

象となります。また、故意に横向きに着地するというものや、故意に着手せずに跳馬を飛び越えた場合は禁止行為に該当し、0点となります。

それ以外で跳馬には特有のルールがあります。それは、跳躍する前に自分が跳躍する技の番号を知らせておくというルールです。ただし、申告した技と異なる技が出たとしても、それで減点などということはありません。また、着地エリアに2本のラインが引いてあり、そのラインの間に着地しなければ減点になります。
他の種目と違い、組み合わせによる加点はないため、行った技がそのまま演技価値点(Dスコア)ということになります。技の点数が高いほど、その技の難度が高いことになります。

演技に求められるのは、演技の美しさ、突き放しの高さ、第二局面(馬体を突き離してから着地まで)の高さ、着地になります。ですので、技の高さが十分でなかったり、倒立位で垂直に通過しなかったりすると減点の対象になります。また、着地の準備として体の開きが十分でなかった場合も減点されます。 跳馬は、体操の種目の中で唯一、一瞬で決まってしまう演技ですので、技の流れも重要となるのです。


【平行棒】

器具説明

平行棒で使われる器具は、鉄棒で使われている器具よりも太くて柔らかく、そしてよくしなるものとなっています。その棒を床から2mの高さに2本、平行かつ水平に配置し、この棒間、棒上で演技を行います。
平行棒は男子のみの種目となっており、女子では段違い平行棒として実施されます。また、この平行棒という種目は非常に難易度が高いため、ジュニアの大会や小規模な大会などでは実施されないといったケースも多くあります。

基本ルール

演技の基本的な流れとしては、平行棒に触れ、ぶら下がったところから演技が始まり、終末技で着地し、着地動作を完了して演技終了となります。
平行棒という種目は、つり輪を除くその他の種目と同様に、流れの良い演技が評価される傾向にあります。静止技も行われますが、難度表に記載されている技しか行ってはいけなかったり、回数の制限が決められていたりといった規則があります。 そのため、演技はもちろんのこと、構成も難度が高くなっています。

平行棒での禁止行為を見ていくと、力技や静止技については難度表に記載されていない技は禁止されており、実施した場合は減点の対象となります。
つまり、平行棒においては難度表に記載されている技は例外的に認められているもので、基本的に静止してはいけないということになっています。また、手や腕以外の部位で体の支持を行ってもいけません。 終末技については、C難度以上の技を用いて着地しなければなりません。着地に関しても平行棒と平行な向きで着地しなければならず、他の種目と同様に足以外で着地する技も禁止されています。


【鉄棒】

器具説明

鉄棒は、普段公園学校で目にする鉄棒と比べると、よくしなります。
体操競技で使われる鉄棒は、ただの鉄棒とは違い、バーの中にワイヤーが入っています。鉄棒専用の材料として特殊鋼メーカーで製造されており、独特の弾性が出るように焼き
入れが施されています。 鉄棒の高さは2m80cmとなります。
 

基本ルール

演技は、鉄棒にぶら下がった状態から開始され、演技終わりの終末技で着地するか、もしくは演技している選手が途中棄権するまで行われます。
鉄棒の技にはさまざまな種類があります。
よく目にする車輪などは「懸垂振動技」と呼ばれます。鉄棒で両手でぶら下がった姿勢が基本姿勢となります。しかし、一言で「懸垂振動技」といっても、順手や逆手または片手での逆手など、回転方向で非常に多くのバリエーションがあります。他には、よく鉄棒から手を放して行っている「離れ技」です。また、終末技はC難度以上となっており、簡単な技では美しく着地しても終末技として認定されないということになります。
鉄棒の演技においては、懸垂や倒立位置で止まったりすることも認められていないので減点となります。
さらに、足でぶら下がるなどの手以外の部位で体の支持を行ってもいけません。
また、演技を見ているとよく見かける光景かもしれませんが、演技中に落下してしまった場合や足以外での着地はもちろん減点となってしまいます。

【まとめ】

いかがでしたでしょうか。
いつも何気なく見ている種目の特徴やそれぞれの大まかなルールをまとめました。
今回は男子種目のみまとめましたが、次回は女子種目のまとめも掲載予定ですので楽しみにお待ちいただければと思います!

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